サイエンス

鳥類はどのように恐竜から進化したのか?


空を自由に飛ぶための翼を持った鳥類は、およそ6600万年前まで繁栄していた恐竜の子孫といわれています。巨大な恐竜は小型で空を飛べる鳥にどのように進化していったのか、科学系ニュースサイトのQuanta Magazineが解説しています。

How Birds Evolved From Dinosaurs | Quanta Magazine
https://www.quantamagazine.org/how-birds-evolved-from-dinosaurs-20150602


現代の鳥類は、獣脚類として知られる2本足の恐竜から進化したといわれています。獣脚類の中には、代表的な肉食恐竜として知られるティラノサウルス類や小型のヴェロキラプトル類が含まれます。鳥類の最も近縁となる獣脚類は一般に体重は100ポンド(約45kg)~500ポンド(約226kg)と現代の主な鳥類に比べて巨大で、大きな鼻と大きな歯を持ち、両耳の間はそれほど大きくありませんでした。例えば、約7500万年~7000万年前に生息していた小型肉食恐竜のヴェロキラプトルは、オオカミのような頭蓋骨を持ち、脳はハトほどの大きさだったといわれています。

何十年もの間、古生物学者によって恐竜と鳥を結びつける唯一の存在だったのは、「始祖鳥」と呼ばれる生物の化石でした。始祖鳥は、わずか1000万年の進化の過程で羽毛や翼、飛翔能力を獲得した証拠だとされていました。ブリストル大学の古生物学者であるマイケル・ベントン氏は、「始祖鳥の化石は、現代の鳥の特徴を備えだした最初期の生物であるように見えました」と語っています。


恐竜が突如として羽毛や飛翔能力を獲得したのであれば、適応による変化だけではなく、突然変異ともいえる遺伝子の大規模な変容が必要です。かつて、古生物学者たちは「突然変異」を理由に、100kg以上の体重をもつ生物からスズメほどの大きさの鳥に進化したと説明する「Hopeful Monsters(希望的な怪物)」理論を唱えていました。

しかし、1990年代に中国で発見された恐竜の化石から、羽毛の生えた恐竜の存在が明らかになりました。このことから、鳥に進化してから羽毛が登場したのではなく、恐竜の時点ですでに羽毛を獲得していたことが示されたわけです。


2019年にエジンバラ大学の古生物学者であるStephen Brusatte氏は、ジュラ紀中期(1億7000万年前~1億6000万年前)に登場したコエルロサウルス類の化石を研究し、鳥は恐竜から短期間で大きく進化したわけではないと主張しました。

Brusatte氏は「鳥は一夜にしてティラノサウルスから進化したのではなく、1つずつ段階的に進化してきたのです。最初は二足歩行、次は羽毛、次は叉骨(さこつ)、そして現代の鳥にみられるような複雑な翼が見られるようになりました。その結果、恐竜から鳥への進化はシームレスに行われており、恐竜と鳥を明確に線引きすることはできません」と語りました。


また、羽毛や翼だけではなく、比較的体のサイズが小さいことも鳥類の特徴です。2014年に発表された研究では、始祖鳥が出現するよりも5000万年前から恐竜のサイズが小さくなっていったことが判明しています。恐竜が急速に小型化したことには、体が小さいことに大きなメリットがあった可能性がありますが、詳しいことはよくわかっていません。ベントン氏は「樹上はエサ場や避難先として優秀であり、樹上に生活エリアを移す際に小型化が有利に働いたのではないか」と推測しています。


特に頭蓋骨に注目した場合、鳥の進化には幼形進化が大きく関わっているといわれています。幼形進化とは、性的には完全に成熟した個体でありながら、生殖には関係のない体に幼生や幼体の性質を残しながら進化していくこと。初期の鳥はヴェロキラプトルのような見た目だったのが、幼形進化によって幼体のように頭が小さいまま成熟するようになり、次第に頭蓋骨が小型化したのではないかと考えられています。

なお、恐竜から鳥への進化の上で、不明な点が多いのが「くちばしの誕生」についてです。鳥のくちばしは、前上顎骨と呼ばれる骨が大きく前に突き出し、鼻を形成しないまま発達したものです。くちばしは恐竜やワニ、古代の鳥など多くの脊椎動物には見られない構造であるため、くちばしの獲得は大きな謎となっていましたが、は虫類や恐竜も大きく突き出した前上顎骨を持っていることが判明し、くちばしの発達と進化からも鳥が恐竜の子孫であることが示されています。

「くちばし」の成り立ちからも鳥が恐竜の子孫であることが裏付けられる - GIGAZINE

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1i_yk

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